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ハリルJ、CF序列争いに変化か。2年ぶり追加招集の川又堅碁、日本人離れしたその迫力 | フットボールチャンネル

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https://www.footballchannel.jp/2017/12/10/post245858/9日、E-1選手権の北朝鮮戦に臨んだ日本代表。試合終了直前に井手口陽介がゴールを奪い辛くも白星スタートとなった。日本はボール支配率こそ高かったものの、なかなかチャンスは創出できず。むしろ北朝鮮のほうが決定機は多かった。そうした展開のなかでも何人かの選手は自身の長所を披露。ジュビロ磐田・川又堅碁の躍動は、ハリルジャパンのCF序列争いに変化をもたらすかもしれない。(取材・文:元川悦子)北朝鮮戦で存在感を示したFW川又堅碁

北朝鮮戦で存在感を示したFW川又堅碁【写真:Getty Images】

 若き守護神・中村航輔(柏)の好セーブ連発に助けられ、後半途中まで0-0で乗り切っていた12月9日のE-1選手権初戦・北朝鮮戦(味スタ)。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は攻撃のテコ入れを図るため、後半26分に2枚目の交代カードを切った。先発で1トップに据えていた金崎夢生(鹿島)に代えて、川又堅碁(磐田)を投入。勝負をかけた。

 杉本健勇(C大阪)の負傷によって追加招集され、背番号9をつけた男にとって、今回は2年ぶりのA代表のピッチ。奇しくもその2年前の出番は同じE-1選手権だった。

 灼熱の中国・武漢で行われた同大会の初戦・北朝鮮戦と最終戦・中国戦で川又はスタメン起用されながら不発。チームもまさかの最下位に沈み、「もうちょいできたというか、やらなきゃいけなかったと思います。課題? うーん…、そうですね、結構な部分でまた成長できるようにしないといけない」と不完全燃焼感を色濃くにじませた。

 それから2年間も代表から遠ざかることになり、本人ももがき苦しんだが、名古屋グランパスでは田中マルクス闘莉王(京都)、ジュビロ磐田に移籍してからは名波浩監督や中村俊輔といった面々からアドバイスを受け、今季J1で14ゴールという結果を残す。オフの日にもジムに通って肉体改造にも励み、心身ともにスケールアップして、彼は代表の舞台に戻ってきたのだ。

 その成長ぶりは約20分間のパフォーマンスに随所に現れた。出場するや否や、彼はゴール前で相手を背負いながらタメを作り、味方に攻撃の時間を与えた。2年前はボールを収めたり、キープしたりする仕事に雑さが見て取れたが、今回の川又は確実にターゲットマンとしての役割をこなしていた。

「2年前は監督から『ワンタッチでやれ』と言われて、『ワンタッチ、ワンタッチ』ばかりになっていた。今日みたいに落ち着いてトラップしてはたいてってところがなかったんで、そこは変わったかなと。監督から言われていても、状況によっては自分で判断する。そのかわり、シンプルにやるところはシンプルにするっていう、ジュビロでやっていることが出ているかなと思う」と本人もしみじみ語る。終了間際のヘディングシュートは相手GKに防がれたが、凄まじい迫力を感じさせた

終了間際のヘディングシュートは相手GKに防がれたが、凄まじい迫力を感じさせた【写真:Getty Images】

 車屋紳太郎(川崎)の左クロスに鋭く反応してゴール前に飛び込んだ後半ロスタイムのヘディングシュートの場面では得点への凄まじい迫力を感じさせ、さらには終了間際の井手口陽介(G大阪)の決勝弾につながるクロスも上げた。背番号9の存在感は想像以上に大きかった。

「あれはあれでよかったと思います。あそこにしかスペースがなかったんで。クロスも俺のイメージとしては完璧やったし、今ちゃん(今野泰幸=G大阪)に合わせたのも完璧やった。そこでゴールが生まれたのも、ホントにポジティブやった」と本人も嬉しそうにコメントしていた。

 以前の彼なら、強引に中へ持ち込んでシュートを打とうとして相手に防がれていたかもしれない。「俺が俺が」というエゴを出しすぎるのが、川又のよさであり、課題でもあった。

 代表から遠ざかった2年間を経て、何がチームの勝利のために効果的なプレーなのかを的確に判断できるようになった。そこが最大の成長と言っていい。「いろんな面で落ち着いてプレーできるようになったんじゃないかな」と彼自身も少なからず手ごたえを口にしていた。

 もちろんこの時間帯は相手がバテて運動量が落ち、スペースも空いていたから、川又ら途中交代選手はプレーしやすかったはず。頭から出ていた金崎や小林悠(川崎)よりアドバンテージがあったのは確かだ。それを差し引いても、彼が大きな可能性を感じさせたのは紛れもない事実だろう。

先発出場濃厚と見られる中国戦がまさに試金石に

 日本代表の1トップ争いは目下、鉄板の大迫勇也(ケルン)以外はほぼ横一線。国際Aマッチ111試合出場50ゴールの岡崎慎司(レスター)を筆頭に、武藤嘉紀(マインツ)、金崎、杉本、興梠慎三(浦和)と全員が2018年ロシアワールドカップメンバー入りにしのぎを削っている状態だ。

 川又はここまでノーチャンスだと見られていたが、この日を境に序列が変化しそうな雰囲気も出てきた。実際、184cmの長身で、ヘディングの競り合いに強く、スピードも強さも兼ね備えたFWというのは、日本人にはそうそういない。抜群の身体能力を誇るこの男が覚醒してくれれば、ハリルホジッチ監督にとっても心強いはずだ。

 彼がFWのラストピースに名乗りを上げるために必要不可欠な条件は、やはりゴールという結果だろう。ハリル体制発足2戦目だった2015年3月のウズベキスタン戦(東京・味の素)で代表初ゴールを挙げてはいるものの、それは2年半以上前の話。

 今の日本には絶対的得点源になれるゴールハンターが不在。欧州組にもゴールを量産している選手はいない。だからこそ、川又がどこからでも点を取れる選手になってくれれば、理想的なシナリオだ。

「俺のゴールが欲しい。マジで」

 彼はそう語気を強めたが、E-1選手権の残り2戦でそれを果たさなければ、明るい未来は開けてこない。来年3月の日本代表戦はロシア本大会を見据えたメンバーで挑む方向であるため、新戦力が一気に台頭しようと思うなら、ここでやるしかない。

 4年前の大会でも柿谷曜一朗(C大阪)が大会通算3ゴールを挙げると同時に、宿敵・韓国を下す原動力になったことで、2014年ブラジルワールドカップ行きを射止めたが、同等かそれ以上の仕事が求められてくる。

 先発出場濃厚と見られる第2戦・中国戦は重要なまさに試金石。川又堅碁が苦しんだ2年間で体得したものを全て出し切れるか否か。日本を勝たせるゴールを奪えるか。そこに注目して、その一挙手一投足を見極めたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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