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【中国戦|戦評】存在感を示した川又と小林。ロシアW杯のメンバー入りにより近づいたのは? | サッカーダイジェストWeb

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E-1サッカー選手権]日本2-1中国/12月12日/味の素スタジアム

 
 北朝鮮との初戦と同じように、中国戦でも日本は攻めあぐねていた。伊東純也のドリブル、この日右SBで先発した植田直通のライナー性のクロスなどで良いところまで侵入できるのだが、フィニッシュの局面でどういうわけか迫力と精度が足りない。
 
 CFの小林悠も左右からのクロスに対してどうにか合わせようともがくが、ドンピシャのタイミングでパスをもらえないので、枠にさえシュートを飛ばせない。つなぎ役として機能していたようだった大島僚太が左足の怪我で交代(30分)して以降は、代わりに入った井手口陽介も初戦の疲労を引きずってか、チームとしてあまり機能していなかった。
 
 57分には一瞬の隙を突かれて中国に決定的なチャンスを作られたが、これをGKの東口順昭が1対1の状態で打たれたシュートを身体で止めて事なきを得た。攻めが上手くいかず、あわやという場面を作られる。まるで北朝鮮戦のような流れだった。
 
 そんな試合の空気が変わったのは75分。川又堅碁がピッチに入った後だった。フィジカル能力に優れ、空中戦に滅法強いこのストライカーがCFを任されたことで、日本の攻撃がよりシンプルになったように見えた。
 
 困った時は、最前線で身体を張れる川又めがけて放り込めばいい。そんな約束事があるかのように、日本はゴールを目指していく。北朝鮮戦もそうだった。この男が最前線でドンと構えてから攻撃の狙いがはっきりして、あの井手口の決勝弾が生まれた。
 
 井手口のゴールや今野泰幸のアシストが注目されがちだが、そのチャンスにも川又は絡んでいた。そして中国戦では84分にゴール前で潰れ役になり、小林の先制弾が生まれた。
 
 それまであまり機能していなかったチームが、川又の投入で活性化される。今大会、川又はここまでいわゆるスーパーサブ的な役割をこなしているのだ。あの前線でのどっしり構えた様から感じられる威圧感は、相手からすれば厄介だろう。
 
 少なくとも北朝鮮と中国は川又の独特なオーラに呑み込まれた結果、日本にゴールを奪われている。中国戦ではっきりしたのは、川又は少なくとも今大会において前線で使えるカードだということだ。ただ、川又が使えるといっても、それは現時点だとアジアレベルでということになる。アジアカップを戦うならまだしも、6月に控えているのはワールドカップなのだ。
 
 それに今回は途中離脱した杉本健勇の存在も気になる。おそらく杉本に怪我がなく、今大会に参戦できていたら、CFのファーストチョイスは杉本だった。川又はその杉本の離脱を受けて追加招集された選手だったのだ。
 
 ゴールに絡んでいるが、ゴールを決めているわけではないという点で評価は難しいところだ。前線で基準点になれる仕事なら、大迫勇也がアジアレベルではすでに素晴らしいものを見せてくれている。要するに、その大迫を脅かし、CFの序列で杉本の上に行くためにはなによりゴールが必要なのだ。
 
 その点、むしろ期待できるのは小林か。今季のJリーグでMVPと得点王をダブル受賞し、CFで起用された中国戦で見事なローリングショットから先制弾と、明らかに”流れ”は来ている。1か月ほど前は浦和の興梠慎三とC大阪の杉本がJリーグの得点ランキングで激しくトップを争っていたが、終わってみれば小林がその座を奪っている。

 ワールドカップ本大会まで残り半年というタイミングで調子を上げてきたのは何かの運命か。大迫と川又がややタイプがかぶる一方で、小林は大迫とも杉本ともタイプが異なる点で、戦力的な価値は川又より高い印象もある。

 もちろん、小林についてもアジアレベルで活躍できているだけ、というエクスキューズはあるだろう。また、中国戦でゴールを決めることができたのも川又のサポートがあったからという見方もできる。

 とはいえ、ゴールという目に見える結果を出したのは紛れもなく小林のほうだ。それに最近の勢いも無視できない。川又、杉本以上にワールドカップのメンバー入りの可能性を膨らませているのは小林ではないかと思うのは、果たして私だけだろうか。
 
文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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