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名波ジュビロが歩むトップ5への道。軸は『休まない・休ませない』。“出来過ぎ”を確信に変える挑戦 | フットボールチャンネル

 
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https://www.footballchannel.jp/2018/01/18/post251672/1月15日、ジュビロ磐田は新体制発表記者会見を実施。新加入選手らと共に登壇した名波浩監督は、今季の目標に『リーグトップ5入り』を掲げた。前年の6位を上回る結果を掴むためにも新戦力のチームへの融合は不可欠。そして、これまで作り上げたものをより進化させなければならない。ベースはすでにある中、名波ジュビロはどのような戦いを見せようとしているのだろうか。(取材・文:青木務)

見据える先はトップ5

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ジュビロ磐田は15日、新体制発表記者会見を行った【写真:青木務】

 新体制発表記者会見が行われたヤマハスタジアムの一室は、1年前と異なる期待感に包まれていた。

 昨年は横浜F・マリノスの象徴だった中村俊輔の加入もあり、多くの報道陣が駆けつけた。元日本代表10番に視線が集中。このレフティーがチームにフィットすれば、磐田は面白い存在になるのではないか。そんな雰囲気が漂っていた。

 実際、サックスブルーは明治安田生命J1リーグで6位と躍進することになる。中村俊輔も魔法の左足で多くの得点を演出。シーズン中に39歳となったが、トップレベルの実力を示した。

 そして、今年である。さらなる飛躍を期すサックスブルーには、すでに昨シーズンから帯同していた中野誠也、伊藤洋輝を含む6人が加わった。新戦力と共に会見に出席した名波浩監督は、今シーズンに向けて意欲を口にしている。

「まだまだ足りないところ、補わなければいけないところがたくさんあるが、ここにいる選手、既存の選手たちとともに、我々スタッフも含めて、それからフロントも含めて、サポーターも含めてみんなで成長していけるような1年になってくれればいいなと思う。

 具体的にはトップ5という目標をすでに選手たちには掲げた。浦和レッズ、FC東京、ガンバ大阪など、昨年は我々よりも下の順位だった強いクラブが今シーズンは巻き返しに必死になってくると思うので、それを受けるのではなく、しっかりとした強いチャレンジャー精神を持ってやっていきたい」

 自分たちの立場はあくまで挑戦者、という思いを感じさせる名波監督の言葉だが、手応えはある。会見を終え、再び報道陣の前に現れるとこうも語っている。

編成の出発点は「無理のない積み上げ」(服部強化本部長)

「去年の30失点も順位も、だいぶ出来過ぎだと思う。その『出来過ぎ感』を自分たちが確信に変えていかないといけないと思うけど、どこまでやれるかという疑心暗鬼や不安要素よりも、やれるんじゃないかという方が強くなってきている」

 そして、「(今年は)30点以上取られる可能性も・・・30点以上取られるよね?」と冗談めかして笑った指揮官だが、こう続けた。

「でもまあ自信を持って守備はできるだろうと。守備が安定していれば大崩れはないと思うので。あとは(勝ち点)0を1に、1を3に持っていけるかどうか、というところじゃないかな。負け数という意味では8敗よりしたくないなと。あとは勝ち数をどれだけ伸ばせるか」

 昨シーズンの戦績は16勝10分8敗。そこからのジャンプアップを目指すなら8敗は最低ラインだ。その上でポイントを重ねていくことが至上命題となるが、2017年を振り返ると強豪からの勝利も多く、土壇場で勝ち点をもぎ取った試合もあった。そうした力強さにさらに肉付けしていくには既存選手の成長、新戦力の融合が不可欠だ。

 服部年宏強化本部長は編成にあたって、「昨シーズンまでのベースに無理のない積み上げ」を一つのテーマに挙げた。ここで重要なのは「無理のない」という部分だろう。

「新たに5人、6人のレギュラーを獲って、チームの方向がどちらに行くかわからないという状況を作らず、今まで積み上げてきたものにさらにいいものを積み上げる。そういう編成をしていこう、ということで始めた」

 これまで構築してきたものを壊す理由が、今の磐田にはない。それは、「去年のシーズン終盤にトレーニングの質が物凄く上がってきた」という名波監督の言葉からも明らかだ。

『休まない・休ませない』の徹底

 リーグ戦も残りわずかとなった去年11月のある日、名波監督は翌年のテーマとしていくつかのポイントを挙げている。その一つが、『休まない・休ませない』というものだ。

『休まない』は自分たちのことを指す。『休ませない』は相手を、である。規律と大胆さを両立し常にアグレッシブなサッカーを展開する上で、この要素はサックスブルーにとって生命線となる。奪ったボールをテンポよく繋ぎ、なるべく速いタイミングで前線やサイドにパスをつける。無闇やたらに放り込むのではなく、一人ひとりが意図を持ってゴールに向かっていく。

 堅守速攻がハマった昨シーズンの戦いに名波監督は手応えを掴みながら、ボールを握る時間を増やすことにもこだわってきた。2018年もこの点への取り組みは続けられるが、「それありきになってはいけない」とも指揮官は言う。

「昨日のバルサを見ていてもそうだったんだけど、プレースピードが上がらなくなる。パススピードはあるんだけど、ソシエダがどんどん前から来ていて、繋ごうとはしているんだけど意図通り繋げていないというか。顔出し、トライアングルの形成が遅くなると、今度は技術で突破するしかなくなっちゃうから。そういうサッカーにはならないようにしたい。

 テンポが下がってしまう。『上がらない』じゃなくて下がっちゃうようなサッカーは避けたいなと。それならパス数が450本だとしても、スパンと入ってシンプルにサイドにボールが出て、そこから突破に入るようなイメージだったら本数にはこだわらないけど。けど、ね」180117_iwata3__getty

15日、チームの初練習も行われた【写真:青木務】

 最後に念を押したように、ボール保持への意欲はある。しかし、形になりつつある今のサッカーを犠牲にするつもりはない。

「怖いエリアでボールを動かす、あまりこねずに動かす。人とボールが動きながらボックス内、もしくはボックス近くに侵入していくというのは、6連勝の時には勢いでやっていた感じだったけど、終盤になるにつれて良くなった。特にレイソル戦、鳥栖戦、鹿島戦の前半もそうだった。ああいうのが理想かなと」

 スピード感を体現するためには瞬時の判断とイメージの共有が求められる。そのためには“自分たち発信”が重要で、これを実践できた時は相手に後手の対応を迫っている。指揮官は、昨シーズンのラスト3試合の戦いを理想とした。結果は1勝1分1敗だったが、内容に関しては満足のいくものだった。

 ベースは確実に積み上がってきた。新たに加入したメンバーはいずれも実力者だが、昨シーズンを戦い抜いた選手たちとの競争に勝てなければピッチには立てない。新戦力には、名波ジュビロが目指すサッカーをいち早く吸収することが求められる。彼らがプラスアルファをもたらせればチーム力はさらに上昇し、『トップ5』への道も開けてくるはずだ。

 前年6位のチームがその上を目指すのは必然だろう。それでも、一歩ずつという姿勢は変わらない。それは指揮を執る名波監督の言葉からも感じられた。昨シーズン終盤に理想を体現したサックスブルーは、6位がフロックではなかったことを証明できるだろうか。『出来過ぎ』を確信に変える戦いは、すでに始まっている。

(取材・文:青木務)

【了】

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