今季、筑波大から加入したジュビロ磐田FW中野誠也(22)が、5月9日のルヴァン杯1次リーグ第5節の清水エスパルス戦で2得点の活躍を見せました。このゴールで今季静岡ダービー初勝利を挙げたチームは、続く最終節のヴァンフォーレ甲府戦も勝利。1位でプレーオフ進出を果たしました。

 FWとして結果を残した中野ですが、ほんの数試合前までは、この姿は想像できませんでした。リーグ戦デビューとなった4月1日の浦和レッズ戦では、全く見せ場は作れず、途中出場で途中交代。練習中にも「1本のパスを出すまでに何回(ボールに)タッチしてんだ。ここはアマチュアじゃない」と、名波浩監督(45)から叱咤(しった)される場面も目にしました。

 もがき、苦しむ中で大きな転機となったのは、4月18日のルヴァン杯第4節の北海道コンサドーレ札幌戦でした。1-1の前半44分。MF山田大記(29)のスルーパスに抜け出し、冷静に右足でプロ初ゴールを決めました。2得点した清水戦の翌日、中野に活躍の要因を聞くと「僕の中では明確です。札幌戦で、1点目を取れたことが大きかったです。力まなくなったというか、余計なことを考えずにプレーできるようになりました」と明かしました。

 大卒ルーキーの変化を目の当たりにした時、以前に名波監督が話していた言葉を思い出しました。「アスリートは、どこか単純なところがある。ゴールだったり、1つのきっかけで状況が劇的に変わることがある」。

 文字通り、「1点」でプロとしての確かな1歩を踏み出した中野。新たな目標には、リーグ初得点を掲げて日々のトレーニングに取り組んでいます。実現する日も、そう遠くはないと思っています。【前田和哉】

 ◆前田和哉(まえだ・かずや)1982年(昭57)8月16日、静岡市生まれ。小2からサッカーを始め、高校は清水商(現清水桜が丘)に所属。10年入社。一昨年までは高校サッカーを取材し、昨年から磐田担当。